合奏しよう


 個人で練習を重ねてくると、他の弦楽器との合奏という可能性が出てきます。
 それはピアノ伴奏とも違った「あわせる」という弦楽器冥利に尽きる素晴らしい領域です。

 弦楽器同士はよく響きます。
 管楽器族のように楽器本来のの調性が異なったりせず、ヴァイオリンとヴィオラの三本づつの調弦が共通であり
 ヴィオラとチェロは4弦すべてが1オクターブの関係で、バスはヴァイオリンの4弦の音名が弦の高低を逆にした配列
 このようにヴァイオリン族の弦楽器には、もともと響きあうのに優れた相互関係を持っているのです。

 特に弦楽四重奏はこの緊密な関係と楽器の等質性を最大限生かした曲種と言えるでしょう。
 四人の奏者があたかも一人の演奏家のようになって4台の楽器をみごとに操るのです。

 またこれらの弦の重奏にピアノをはじめ異なる種類の楽器交えて音色の組み合わせの妙を楽しむ楽曲もあります。
 これらは弦楽四重奏のような緊迫したアンサンブル上の緻密さから幾分解放されるのが普通です。
 特にピアノ三重奏では、同一性よりも各奏者が個性的で雄弁であるほうが似合います。
 しかし、これにヴィオラ一人が加わりピアノ四重奏となるなら状況は一変し、アンサンブルの性格はふたたび同一性に向かいます。
 これも室内楽と呼ばれる曲種ならではの面白さといえるでしょう。

 さて弦楽合奏ですが、この分野では人数の規定が大まかです。
 モーツァルトのアイネクライネを演奏する場合、パートは4つですから最低4人でも可能です。
 しかしこれでは弦楽合奏とは見なされず、弦楽四重奏が演奏をしていると見られます。
 そこにヴァイオリニストがだぶっていたら、これはなんというでしょうか?
 このあたりから弦楽合奏と見なす聴衆もいることでしょう。

 所謂バロック音楽の時代には合奏協奏曲という曲種が作られ繁栄しました。
 楽器上からみるとヴァイオリン族の楽器と一台の鍵盤楽器か撥弦楽器、時にはそれに加えオーボエやファゴットも声部の強化に参加します。
 声部の構成を見ると、全体のなかに少ない数の楽器群とその他大勢の楽器群の交互の合奏を軸に構成されています。
 ですから、これはパートの数が多くなりアイネクライネのように4人ではすべての声部を埋められなくなります。
 有名なイ・ムジチ合奏団のように10名程度の奏者を有する合奏体が必要になってきます。

 ロマン派以降、和声がより色数を増すようになってくると4声部では窮屈になってきました。
 情感豊かな深みのある曲のために作曲家も自らのパレットに濁色を作るスペースが欲しくなって、その結果声部が増えました。
 さらに滔々たる大河のような豊かな音量も曲想に求められ、オーケストラの弦楽セクション並みの人数が相応しい曲もあります。

 そしてオーケストラがあります。
 ひとつひとつが磨かれた美しい音色を持つ100もの楽器が奏でる壮大な交響楽はなんと人々の心を奪うことでしょう。
 その中でもヴァイオリン族の楽器は重要であり音楽の普遍的中心をなしています。

 では、こうしたすばらしいそれぞれのアンサンブルを前にして、何からはじめますか?
 あるいは、もうすでにある程度経験をしていたとしてもどうしたら自らのアンサンブルの能力をより良いものにできるでしょうか?

 それにしてもこれから合奏に加わりたくても自分のせいで音楽を壊したくないので躊躇しますか?
 どうしたら良いでしょうか?もう少し技術が上がるのを待つべきと思うかも知れませんが次のページをご覧下さい。

             NEXT⇒