こうの史代『夕凪の街 桜の国』

昭和30年、広島。10年前の原爆の陰を引きずり続けているひとりの女性。
昭和62年、東京。野球少女と、病気の弟。
平成16年、東京。 ひとり密かに広島を訪れる、父。
それぞれの、心の底に、静かにしかし確かに潜んでいる、「ヒロシマ」の物語。


 

なんといってよいか……やるせない。
どんなときも、どこにいても、だれにでも、生活があるんだ。
ただ、戦争があった、とか、原爆で何人死んだ、とかでなく、
そこには生活があって、その生活が破壊されて、でもまたそこに生活が生まれて。
伯母のお葬式でずっと、この人は終戦のとき二十歳だったんだ、
と思っていたことを、思い出した。

(05.05.29 日記より)

 

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