伊勢英子&柳田邦男『はじまりの記憶』


 

自分探し=自分の生き方を見つめる=心の原風景を掘り起こす、
そういう本。

初めて読む柳田さんの文章は、実直な印象。
落ち着いて読める。
ところが、伊勢さんのにはドギマギする。
どうしてこの人は、こんなにも感受性が豊かなのか。
豊かというか、剥き出しで、痛々しい。
またしても、 原画展で感じたことが甦ってきた。
半分透けるように、 「あちら側の世界」に住んでいる人。
おそらく、子供の頃は、
もっと純粋にそこに暮らしていたのだろう、と。

(04.04.26)

 

伊勢英子さんという人は、自分のアイデンティティーは絵描きである!
と、かなり強烈に意識している。
絵を描くということは、感情を、はては自分自身を、白い紙に塗りこめることだから。
不器用な中で持ちえた表現方法が、それだった。それが生きる術だった、という。
お父さん、北の国、チェロ、グレイ、子供たち……
いろいろなものに影響されて、でも、断固として絵を描き続ける伊勢さんがいる。

「グレイ」シリーズで一人称を「絵描き」とする、伊勢さん。
そこに、強くショックを受けた。
自分が何者であるか、はっきり言える人。
これほどまでに、自分を見つめて、自分を主張できる人。
では、わたしは?

心の原風景。
自己形成のもと。
わたしの場合は……?

(04.05.01 日記より)

 

<感想文ページリセット>
<サイトtopへ>