テリー・ケイ『白い犬とワルツを』
以前、ドラマ化(映画化?)されたり、流行ってたね。
でもやっと今頃読む、天の邪鬼。
一人称と三人称、視点の切り替わりが曖昧な独特の文章。
それでいて、わかりやすい。
妻を亡くした老いた男の、不器用な愛。
でも、けっして、『鉄道員』の健さんみたいなのとは違う。
「彼」は堅物ではあるけれど、ウイットに富んでいる。
この物語は、あたたかく、愛にあふれている。
夫婦愛、家族愛、兄弟愛、友人愛、隣人愛……
少々疎ましいこともあるけれど、でもやっぱり嬉しいものだ。
「死」は重たいものだけれど、
愛に包まれて、過ごした日々はとてもあたたかい。
そういう日々の末に迎える死は、恐ろしくないのかもしれない。
サムが妻の死を受け入れ、自分の死も静かに受け入れる様は、
美しくもあった。
白い犬が、歩行器に前足を乗せると、なんだか頬が緩んでしまう。
俺の犬だ。ってね。
(05.02.24 日記より)