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CD画像掲載について
ギター名盤列伝
私的・ギター名盤の紹介。
「Nite Flyte/Nite Flyte」
何枚か、ずっと前から(それはもう半端ではない位前、ね。)探していたレコードがあります。それらの中には、「もう絶対手には入らないや、諦めよう」と心に決めて、もう決して思い出すまい(そんなに思いつめなくても。 アホだねぇ、全く)なんて思ったものも沢山。ましてそのレコードの存在を知っている、というだけでなく、音を少しでも聴いた事ある、となれば、その「気持ち」もまたひとしおで、長年憧れていた広末涼子が結 婚しちゃうのと同じ位(アホ過ぎです。自分でも思います)の境地なワケで、以上でその心持ちについての説明を終わりますが(笑)、そうなんです、ある日学校での講義を終え、珍しくFMなど聴きながら帰宅途中の車中、 「!!!こ、これは、あの!」という今回ご紹介致します名盤「ナイトフライトI/ナイトフライト」の大好きな「If You Want It」が流れてくるではありませんか!しかもラジオのスイッチを入れたその瞬間!しかも・・・ ラスト・コーラス・・・「あ〜〜〜終わっちまう〜〜〜」でもラジオに合わせて当然大合唱。すぅっと自然に涙が・・・あぁ、確かにオン・エアは終わってしまったけれど、その時から僕の心は当然「よっしゃ!絶対手に入 れるゾ」と再び決心、追っかけの心の準備は整ったというわけです(今回、前置き長いんじゃなぃ〜)。
この作品、僕の中ではかれこれ20年以上の永きに渡って探し続けて、一度は諦めたものなのですが、古い恩師のギタリストの方によって紹介されて(今はどうされているのだろう、本当に会いたい方の一人)、発売当時、 ヒット・シングルは出たらしいのですが、そんなに売れずに割りとすぐ廃盤の憂き目に遭い、セカンドアルバムからは更に大きなヒット・シングル「You Are」が出たので、僕は必死に名前だけを頼りに輸入盤屋さんを巡り、 今は多分無いかも知れない「新宿レコード」で見つけて狂喜乱舞、その後、かの恩師の方にも「買って来ました!」と彼の分も購入して届けたという古い記憶があります(その位嬉しかったってことねぇ)。
しかし、どうしても、どうしてもファースト・アルバムが欲しい!だってセカンドがこんなに良いし、リーダーのサンディー・トラーノ(トレノ)の作曲、ヴォーカル、そして当時は何と言っても、そのギター・ワークの 素晴らしさは、筆舌し難いほどのものがあったのです。今聴いても当然どの曲のどこを切っても最高の音楽が詰まっているギターアルバムとしても、勿論そうでなくとも最高のセカンドアルバムであったのです。
そして、当時は黒人と白人(サンディーはジャマイカンらしい)の双頭ユニットというのも珍しく、作編曲のコントラストもバランスが良かった。黒人の方(ハワード・ジョンソン)のヴォーカルも心を捉えるに充分過ぎる ほどのクォリティーを持ち、デュオ・ナンバーも素晴らしかったのである。こんなユニットは他には僕の知る限りでは見当たらない。やっと手に入れたCDには「フリー・ソウル・コレクション」と名打ってありました。 そういうジャンルなんですねぇ。
憧れを追いかけ、エサ箱あさりを続ける日々が続く中、先の恩師の方から電話で朗報が!「天野君!ついに見つけたよ!アメリカへ旅行に行った帰りに免税店で!ナイトフライトのファーストを!ミュージック・テープ (解りますか?)だけど・・・」その声は心なしか震えて僕には聞こえました。「やった〜!お、お願いします・・・!録音させて下さい!」と僕はとっさに叫びました。「フフフ・・・君の分もあるんだよ〜!」 「え〜〜〜っ!ウソ〜!」「ホントだよ、何故なんだろうねぇ、2本あった。でもそれだけ。良かったぁ。」
今思い出しても涙が出そうになる。きっとヒットシングルがあるから売ってたんだろうけれど(空港だし)とても優しい先輩ミュージシャン。そしてやっと巡り会えるナイトフライト。アホみたいだが、音楽は本当に 人をクレイジーに、そして優しく、してくれる。しかしテープだったので、切れたら困る、当然。そんなわけで聴いたのはほんの数回(笑)で、今も大切に実家の部屋に眠っている。
内容は当然素晴らしく、サンディーのギターを始め、全てが冴え渡り、ギターソロは勿論歌いまくり!、ファーストと言う事もあってか、ゲスト陣もブレッカー・ブラザーズを始め豪華。そう言えばサンディーはギタリスト としてブレッカーズのサード・アルバム「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」にも参加していたっけ。
新しい音楽ファンの方には知らない方も大勢いらっしゃると思うので、是非!聴いて頂きたいアルバムであります。しかしながら、現在はCD化はされたことがあるものの、現在は廃盤(何で!こんな良い音楽そうあるもの じゃぁないのに!)先程の車中における、あまきゅー発狂事件(笑)の時にはもう既にCDも廃盤になっており、入手が特にLPでは不可能に近いとのこと、それで、ネット・オークションでやっと手に入れたという次第です。 今現在、ウチで大音量でヘッドホンで聴きまくっているヘビー・ローテーション第一位です!オークションでは、今でも割りと出ているものですので、是非一人でも多くの方に聴いて頂きたい作品です。で、懲りないあまきゅーは 「いつか絶対LPを手に入れてやる!」と固く心に誓っているようです(他人事のように言ってまス)。では!サンディー、ハワードの「心」のギター、そして作曲、ヴォーカルに触れて下さい!
「Carla/Steve Swallow」
たった一言で、このアルバムを表現するなら・・・「大人の一枚」こうですねぇ。聴いて頂かなくては何もならないので、何か他のアルバムの事もそうですけど、特に責任重大、と感じてしまいます。ただ「渋い」とか、「落ちついた」とかそんな言葉は陳腐過ぎる。だからと言って「うるさい」(?)「ラウド」でもない。表面上は非常にポップ、色々な音楽の印影が見え隠れするセンスの良い音。でも、僕の本当にこのアルバムについての想いは?そうだなぁ・・・音楽を例えるなら海(え?)。海の中では、台風は確かに全てを破壊するほどのパワーを持ち、表面上も派手そのもの。だけど、本当に、本当に恐ろしいのは、僕は静かな海だと思う。何故って、表面は静かで穏やかだけど、深海では深海のルールってものがある。表がどうなっていようと、もし深みにはまったら、もうもとには帰れないほどの恐さが待っているかも知れないし、それはもしかしたらその人にとっては限りない幸せになるかもしれないもの。要するに「入ってみなけりゃ、解らない」「やってみなけりゃ解らない」ものだったりするワケ。それにしてもこの方達、僕が知っているだけでも本当に「この人、ホントにジャズ・ミュージシャン?」と言う位、様々な音楽をクリエイトしてきている人達で、今聞けば、「何がジャズよ!ロックよ?!音楽じゃない!」って言われちゃいそうですね。このアルバムを聴くにつけ、その思いは私の中で募るばかり。小学校の時歌った歌の中にありましたねぇ、「い〜つの〜こと〜だか〜思い出してごら〜ん〜あんな事〜こんな〜事〜あ〜った〜でしょ〜」ってやつが。きっときっと、様々な事が(勿論、僕が知らなくても良い事)あったでしょう、音楽上での素晴らしい経験も素晴らしくない(?)出来事も。いいえ、僕にはやっと少しだけ、聞えてきたような気がするんですよね、スワロウが、カーラが、ハイラム・ブロック(やっと出てきましたね!かっ飛びギターリスト)が「俺達、人が経験出来る事は何だってやったよ、多分人生において知らない事なんて無いんじゃぁないかな?知りたいことも、知りたくないことも・・・」と、呟いているのが。そんな最強歴戦の勇者達が作った余りにも穏やかな音の世界、是非聴いて頂きたいです!あっ!そうそう、その勇者達の中でも一曲目で余りにも強烈で元気良く、そして悲しいソロを取り、他の曲では一聴して彼と解る素晴らしいバッキングを披露してスワロウ(b、作編曲)とカーラ(org)の世界に彩りを添えるハイラム・ブロック(g)!今現在、これ以上の「大人」の世界を余り僕は知らないです・・・オソロシイ。
「Stuff/Stuff」
ジャケットの色合いも鮮烈な(何か最近再結成されたらしいですねぇ)NYのスタジオ・ミュージシャン集団「スタッフ」の、これがファースト・アルバム。ジャケットに何やら「音に自信あり」の看板がぶら下ってるみたいで私はとっても好きなのです、このジャケット。今でもトップ・ドラマーの名を欲しいままにしている名手、スティーブ・ガッドや(もう一人の名人ドラマー、クリス・パーカーもお忘れなく!)今は亡き、不世出のピアニスト、リチャード・ティーを擁したそれは素晴らしいバンドでありました(ちなみにリーダー格はベーシスト、ゴードン・エドワーズ)。さて、このコーナーですから、ギタリストを紹介しなきゃあね。インストゥルメンタルのバンドながら、常にヴォーカルがいるかのような歌心溢れる佳曲の数々を、時にはメロディーを、時にはバッキングをと縦横無尽に、しかしさりげなくその存在感を示すのはNYきっての名手二人、エリック・ゲイル(g)とコーネル・デュプリー(g)であります。惜しくも数年前に亡くなってしまいましたが日本とも馴染みが深く渡辺貞夫(as)のお気に入りでもあったエリック・ゲイルと、古くはあのジミ・ヘンドリックスも在籍したキング・カーティス(ts)のカーティス・ナイトにも在籍した歴戦の名手、コーネル・デュプリー。この二人が一つのセッションに加わる事は(多分)そうそう無かったのではないかと思われるが、何より驚きなのは、言ってみれば「似た感じの個性」を特徴として持つ二人が決して殺し合うことなく、また詰まらない「バトル」状態にもならず、「マンネリ」状態も生むことなく同居している点である。多分このアルバムが出た前後の世界の音楽(特に日本の)シーンはこのバンドの在り方に非常に強い影響を受けたユニット、レコードが多数生まれていると思う。実際、ジョー・コッカー(vo)、サリナ・ジョーンズ(vo)はこのバンドごとバック・ミュージシャンとして彼等を雇い、余りにも素晴らしいアルバムを残しているし(ジョー・コッカー/スティングレイ(A&M)、サリナ・ジョーンズ/マイ・ラヴ(JVC))、その他にも多数の「ちょい欠け『スタッフ』」が参加するレコードの多い事多い事、まるでブームのようであったと記憶している。実は前々から仕事で多く顔を合わせるからバンドでもやるべぇ、ということだったのだろうが・・・今思うと、何度も来日している「スタッフ」のライヴを一度も見ていなかったことが悔やまれ、もう二度と生音を聴くことが出来ない二人の「スタッフ」がこの世にいない事、久しぶりに聴いたレコードでのこのファースト・アルバムの余りにも良い録音(きっとその場の雰囲気が良かったのだろう)と、リラックスした演奏に感動して、また音楽に対する思いが深まることとなった。
「Naked Songs/Al Kooper」
アル・クーパーの名盤を紹介します。彼を取り上げようと思った時、ギタリストとして?それともピアニスト?ヴォーカリスト?それとも優れた手腕を持つプロデューサーとして?・・・ちょっと待て!ここはギター名盤列伝なのであるからして云々・・・結局行きついた先は「マルチ・ミュージシャン」でありました、解決。しかし、彼のキャリアの初期はスタジオ・ギタリストとしてのものだったとライナーには記されてあったので、やはり僕のギタリスト探求魂を刺激した作品である事はいうまでもない。特に2曲目「As The Years Go Passing By」におけるハーモニー感覚に溢れたブルージーなギター・ソロや随所に聴かれる的確かつセンスに溢れたバッキング等々、ギターの聴き所には興味深い作品であるが、このアルバムの音楽を魅力的にしている最大の要因は前出の「マルチ・ミュージシャン」ある点、とりわけ、「マルチ」である彼の見地から見渡した音楽に全てが仕上っている点である。様々な楽器の達人であることは間違い無いのであるが、結局の所、全ては「この『音楽』の為」というか、この「曲」の為のテクニックであり、最後にはいつも「曲」が良かった!という印象しか残らないのである。これはありそうで、そうそう無い。大事(おおごと)である。大抵の作曲家なら、アレンジャーを雇い、プロデュースは自分でするのが難しく、ましてヒット作を産み出すには「良い曲」そのもの以外に様々な要素が必要な事は熟知しているというのが常であるが、彼の場合はその壁をも乗り越え、このアルバムから「Jolie」という世界的な大ヒット作を送り出しているのである。何と冷静な変人であろう、驚きである。さすがはレーナード・スキナード等人気バンドを多数世に送り出したスーパー・プロデューサーである。同じ系統のやはりギタリストにトッド・ラングレン等がいるが彼もまた素晴らしい音楽家である。何しろ、「良い曲」の「本当に良いギター・ソロ(別にギターじゃなくても良いのだが)」を本人が演奏しプロデュースまでするというのは僕などにはとても出来ない、気の遠くなるような作業なのである。彼は「とんでもなく『冷静』な『キ○ガイ』」なのである。楽器がたくさん上手にこなせるだけでは、「マルチ」ではないのである、ということが良く解る稀なアルバムであることは間違い無い。
「Axis:Bold As Love/The Jimi Hendrix Experience」
遂にジミさんをご紹介!といってみたいと思いますが、彼のアルバムを選ぶとすると・・・実は非常に迷ってしまうのであります、これが。ワイルドなギター・プレイヤーとしての側面を強調した数々のライヴ盤、レコーディング技術を駆使しまくったスタジオ盤、はたまた彼の死後に発表されたいくつかのアルバムでは、ダビングが施されていてアレンジが加えられているもの等(しかし内容は改悪に決してなっておらず、素晴らしい!)、さすがにジミさん、様々なジャンルの音楽家達に尊敬を集める実は最も非凡なミュージシャンらしく数々のトリビュート作品やコンピレーション盤等が未だに出続けるのも納得出来るものがあるのです。その中からとなると迷ってしまうのも仕方が無い(笑)。と言うわけで今回は、彼の初期の作品の中から僕が思うにギター・プレイもさることながら、ただ「ロック」と言うには余りにもサウンド〜アレンジ〜作曲〜すべての面でジャンル(このジャンルって言う表現は余りジミさんを表現するには適さないようにも思うが)を超越した度合いが最も激しい一枚を。彼の「エクスペリエンス」というグループの二枚目のオリジナル・アルバムとなるこのアルバム、何やらサウンド・エフェクトのかかったインタビューを幕開けに、ギル・エヴァンスがカヴァーしている「Up From The Skies」から(ここで印象的なのはフォー・ビートのカッティングにワウワウを使用して独特のフィーリングを醸し出している点)またハイラム・ブロック(g)がカヴァーしている「Spanish Castle Magic」では彼のワイルドな(数々のギター・プレイヤーを魅了した「あの」雰囲気)面が、また優れたバラード・メイカーとしての面を押し出した名曲「Little Wing」、「She's So Fine」。そしてギタリストとしての彼は・・・ジェフ・ベックを紹介した時にも書きましたが、彼もまた非常に稀に見る「天然ジャズ・ロック・ギタリスト(笑)」。いつもリズミックにインプロヴィゼイションを構成するその歌い口は非常にジャズ的。後にたくさん出た彼のコピー・キャット達はこの点を見逃している人が多いと思います。ワタシも頑張らなきゃ・・・さっきも言いましたが(笑)彼には余りに短期間のうちに名盤を創りすぎている為、今後も度々このコーナーに登場する事となるハズです。乞うご期待!
「Sir Duke/Bill Ware」
これは、貴重なドキュメント。先月発表された僕のニュー・アルバム「A Sweet Delusion」と同じWhat's New Recordから発表された余りにも素晴らしい音楽なのです。最近では「にせキューバ人達(何でかね?)」なるバンドを率いて相変わらずの躍進を続けるマーク・リボー(g)とアシッド・ジャズ界では知らぬ人はいないであろう「グルーヴ・コレクティヴ」のビル・ウェア(vib)とのデュオローグ。その昔この音源を製作された我が全幅の信頼をよせるエンジニア〜プロデューサーである佐藤弘さんに初めてお会いした頃、自分のバンドのデモを持って、緊張しながら早稲田の事務所を尋ねたその日、佐藤さんはこの音源とジャケット案を見せて下さり、僕としてはそのミュージシャンの組み合わせやデュオという演奏形態にビックリしたものだったが、それはビル・ウェア自身の提案であったとのこと。そして時期を経てから「出た!」という知らせを聞いてから欲しくて仕方の無かった音源であった。佐藤さんからCDになったこの音楽を頂き、家で聴いた感想をお話した時、「あれはねぇ、僕の『セロニアス・モンク・プレイズ・D.エリントン』。あれなんだよね・・・」と言っておられたのがとても印象的でした。僕も常々思うのだが、エリントンこそは究極のアヴァンギャルドであり、彼の曲を演奏しようとするなら敬意を持って、「おのれ〜己」を曲に投影出来なければその曲に報いる事は難しい、と考えています。そして、この二人こそはそれをいとも簡単に(?)しかも非常に美しくやってのけている。勿論聴いてもらわなければ解らないし、所謂「よくやる」エリントン・ナンバーが選曲上は並んでいて、オーソドックスなジャズ・アルバムを連想させるのだ。しかしそこはマーク・リボー、そんなに簡単には済ませてくれないわけで、彼を知っている人にはおなじみのザラザラした音色〜ザクッとした聴きようによっては不安定にさえ聴こえるフレイジング、リズム・プレイ。第一印象は、知らない人が聴けば「最近ジャズ・ギター始めた人?」みたいに見える荒々しいプレイなのだが・・・よ〜く聴くと、荒く聴こえるそのプレイはジャズ・テイストに溢れており、計算されたものだと聴くことも出来る程しっかりしたものであることが解る。彼は多分「手馴れた」ものに聴こえるのがむしろ不自然に思えるのではないのか?とふと気付いた。それはエリントンの精神そのものではないか!かつてJ.コルトレーンとのレコーディングの際、テイクを重ねようとするコルトレーンを制して初めの新鮮さを大事にしようと言ったというその精神・・・むしろ練習し尽くした後に(それは「し尽くす」ということは、当然有り得ないことなのだが)それを「新鮮な」ふりをしろと言われても無理な事。しかしマーク・リボーは平気でそれをやってのけているのではないか?と思うと、恐ろしくなった。今の自分には到底不可能な事だ。スタンダードを彼等の様なタイプのミュージシャンがやることは非常に少ないと言えるし、主役のビル・ウェアのプレイも負けずに「非凡に、オーソドックス(?)」。他に言いようが無いのだ。後は是非聴いて頂くしかない。そして、このアルバムが海外ではなく、日本の製作である事、それも佐藤さんの手によって創られたという事に(細かなプレイング・ノイズまで録られている!)、事の重要性はあると思えてならない。
「The Great American Songbook/Carmen McRae」
今月も歌モノの名盤を。これはジャズ・ヴォーカル・ファンならずとも持っていたい「本当の」名盤です。 あっ、そうか、ギター名盤でもあります。ここでのギタリストはジョー・パス。彼の入っている作品、リーダー作・・・共に数多く残されているし、良い作品も本当にたくさんあるのだが、僕としてはヴォーカリストと共演しているものに良く聴くものが多いのは何故かなぁ? 有名なソロ・ギター・シリーズや60年代の西海岸での活躍振りを伝える作品、これまた有名になった同じくグレイト・ヴォーカリスト、エラ・フィッツジェラルドとのデュオ・シリーズと、ギタリストとして素晴らしい仕事の数々を残して惜しくも亡くなってしまった彼ですが、僕にはこれほどリラックスした演奏をしている彼は少なくともレコード上では滅多に聴けるものではないと思っています。ライヴ盤としての作品も他にありますが、これほど良い意味で「ざっくばらん」としかも「完璧に」やっているものは他に無いと思ってしまうのです。バンドの面々も全員が(本当に!)素晴らしく、所謂「歌伴」ではなく、バンドとしての一体感に満ちています。よって、お目当てのジョー・パスが「さあ!ここからギター・ソロ!」みたいな目立ち方をする所も少なく(勿論、無くはないですが)、「気がつくと、そこにいる」みたいな感じなのです。カーメンとのデュオも却って効果的なステージでの一部分として映えている、そんな「ホントの名盤」の奇跡的な出来あがり!となっています。当代きっての名曲揃いで(若い人には特に聴いてもらいたい良い曲が、ジャズの曲からの出典ではないものにたくさんあります)それも「必聴」の理由。そして歌詞の合間に歌い込まれたカーメンの言葉「But I Only Have Eyes For You, Joe〜〜〜Pass〜」僕はちょっと恐いですが(笑)・・・
「Who Is This Bitch,Anyway?/Marlena Shaw」
第2弾はこれは渋い作品。主役のマリナ・ショウ(vo)にとってもモニュメント的作品となった'75年作品を。何故「ギター名盤」か?それは確かにラリー・カールトン、デヴィット・T・ウォーカー(共にg)そして余り知られていないがとても良いギタリスト、デニス・バディミールがベスト・プレイを展開している点であると言うことも出来る。(彼はスタジオ・シーンで活躍したギタリストだが実はかなりのジャズ・シーンでの実力者でもあった。作品としてはリーダー作は勿論、バド・シャンク(sax)のパシフィック盤等がある)がしかし。私が言いたいのはトータルな意味で音楽を創ることを考える時(または「聴く」時)、派手なソロ・プレイやまた逆にギターだからといってカッテイング・オンリーでサウンドに寄与するといったことも確かにギターの重要な役割ではあるが、このアルバムにおけるギター・サウンドの位置というものが単なるギター・サウンドをトータル・サウンドの一角に収めるというアレンジの仕方をせずに、決して全面に出ないソロ・プレイや単なるコード・カッテイングでなく(これはデヴィッド・Tのオハコでもあるが)ダブルノートによるオブリガートを終始フィーチャーするなど、書かれてはいないオーケストレイションのように折り重なっている点を挙げたい。これは良いサウンドを創り出す上で重要なヒントとなって現在の音楽シーンの上でも最も私が「足りない」と感じている「温かさ」を産み出すための要素となっていることは疑いない事実である。マイルス・デイビス(tp)の残した言葉にこのような種類の発言があった。「歌のバックで演奏する時は、終始、全面に出たらダメなんだ。その歌の少し下にいて、寄り添うように演奏する・・・」ウ〜ム、なるほど・・・
「Blow By Blow/Jeff Beck」
第1弾として何を出すべきか?色々迷ったが、結局子供の頃に大いなる興味を抱いた作品としてこれを。今になっても色褪せる事の無い素晴らしいプレイ、勿論ギターのジェフも、このアルバム以前にかなりのジェフとの共演キャリアを積んでいるバックのM.ミドルトン(key)を始め、素晴らしいメンバーがズラリ!ジェフのプレイはその初期から特にリズム面においてその非凡なジャズ〜ソウル的センスを持っており、共演メンバーによっては余りその良い面が100%出ているとは言い難い演奏も多々あったと私は思っているが、このアルバムではそれが完全に開花しており、現在の耳で聴いても素晴らしい出来栄えと言える。当時は「ロック・ギタリストの為の教科書的アルバム」と評価された程。いや私的には一つの完成された音楽の結晶として長く記憶されるべきアルバムと思う。またハーモニー感覚的にも理論的に勉強されたものではなく、飽くまでも「感覚」的に鋭敏に本当の意味で「その場限りのソロ」を(勿論ジェフのオハコ・フレーズは出ているが)クリエイトしていく様は却って「ジャズ的」と言わざるを得ない。








